最初のプロンプトは、どの失敗から来たのか
作業を始める前に渡すプロンプトの中身です。思いつきで並べたものではありません。1行ずつ、実際に踏んだ失敗があります。
プロンプトだけ欲しい方は、上のリンクから戻れます。ここは理由のほうです。
項目ごとの理由
作りたいもの/いま困っていること(空のまま貼っても、AIが聞いてくれます)
何を作りたいか一度も言わないまま「この話題は変わっていますか」と聞いていて、AIから見ると何の話か分からない状態でした。「作りたいもの」だけでなく「いま困っていること」も書くのは、手段だけを伝えると、その手段のまま作られてしまうからです。困りごとを書けば、別の解き方があるときに指摘してもらえます。
v1.3 から
あなたの知識は、いつの時点までのものですか
AIは「知らない」と言わずに、古い情報で堂々と答えます。実際に、その年の1月に出た機能について、5月までの知識を持つAIに聞いて、知らないことに気づくまでしばらくかかりました。
→ 情報が古くなるv1.0 から
これは誰が使うのか(私だけ/他の人も使うのか)を、私に質問してください
「自分だけ」と「他の人も」では、作るものが別物になります。途中で他の人にも渡そうとして、全部作り直しになりました。
→ 属人化の再生産v1.0 から
会社のセキュリティ方針で禁止されやすいものはどれか
社内で使うものは、機能より先にここで止まります。後から直すと作り直しになるので、最初の要件にしています。
→ 環境依存v1.0 から
この方法だと、うまくいかない場合はどんなときですか
「さくっとできそうに見えて、やっぱりできない」で諦める人が多い。先に限界を聞いておくと、そこで折れずに済みます。
v1.0 から
件数・最大値・最小値・取得できなかった数を報告してください
エラーが出ないまま間違うのが、いちばん怖い型です。7,678円を「999円」と読んできたことがありますが、警告は一度も出ませんでした。間違いは極端な値に出ます。
→ 静かに間違うv1.0 から
取れなかった項目は、推測や平均値で埋めないでください
空欄なら気づけます。それらしい数字で埋められると、気づけません。これを言わないと、たいてい埋められます。
→ 抜け漏れv1.0 から
想定外の形のデータが来たら、止まって教えてください
現場のデータには例外が入っています。静かに飛ばされると、後から「静かに間違う」になります。止まってくれたほうが助かります。
→ 実務に入れて、初めて分かるv1.0 から
区切りごとに「今どこまで進んで、何が残っているか」を教えてください
AIと作業していると、3時間が一瞬で消えます。そして何をやったか聞かれても説明できない。区切りを入れないと、没頭か迷走か自分でも分からなくなります。
v1.0 から
プログラムの用語を使わない説明を用意してください
動くものができた瞬間に、「上司にこれ本当に合ってるのと聞かれる」と確信しました。そのときに読み上げられる文章が要ります。後からは書けません。
→ ブラックボックスv1.0 から
この方法では正しく出せない場合(前提・限界・例外)
限界を先に書かせておくと、後から想定外が出たときに「聞いていない」ではなく「書いてあった」になります。
→ マニュアルと実物がズレるv1.0 から
褒めなくていいです。できていない点を隠さずに言ってください
これがないと、たいてい「よくできています」から始まります。こちらが聞きたいのは、できていないところです。
v1.0 から
日付は、実行するその場でコンピュータから取得してください
AIには時計がありません。外から渡されない限り、いまが何日の何時かは分かりません。学習した知識がどれだけ新しくても、この点は変わりません。そして聞かれなければ「分かりません」とも言いません。実際、夜10時を回っているのに「今日はここまでで区切りが良さそうです」と言われました。業務のツールでは、ここが直接事故ります。作った当日はたまたま合っていて、ずれ始めるのは翌月からです。
→ AIは「いま」を知らないv1.7 から
私の沈黙を、伝わった証拠にしないでください
分からないと言えるのは「分からない」と気づけたときだけです。「たぶんこういうことだろう」で流せてしまう場合は、質問すら出ません。そして質問が出ないので、説明した側は伝わったと判断して先へ進みます。自分の作業記録を検索したら、同じ趣旨の指摘を1ヶ月で30回受けていました。30回言われたということは、言わなかった回がその何倍かあるということです。
→ 言葉が通じないまま、進むv1.6 から
最後に:この作業に向いているモデルはどれですか。違っていたら始めないでください
同じ指示でも、モデル(AIの種類。同じAIでも、賢さと料金がちがうものが何種類かあります)が変われば出てくるものが変わります。そしてAIは、聞かれないかぎり自分がどのモデルで動いているかを言いません。作業が進んでから「別のモデルのほうが良かった」と分かっても、多くの場合は会話を始め直すことになり、そこまでの分が無駄になります。これは失敗から入った項目ではなく、実際に使っていて効いている習慣です。
v1.2 から
更新履歴
v1.13 2026-08-16
ファイル名の決まりを、「誰が読むか」から「どうやって読ませるか」に変えました。日本語の名前がダメなのは @ で呼ぶときだけで、`.claude/rules/` の中なら日本語でも読まれます。
1.12は「私が読むためだけの文書は日本語でよい」と書いていた。だが企画書や記録こそ、次の会話で読ませたいもの。この分け方だと、AIは「これは記録だから日本語でいい」と判断して日本語名を付ける。同じ失敗を防ぐつもりの文が、同じ失敗を許していた
v1.12 2026-08-15
この会話が終わると指示は消えることを前提に、2つ足しました。①作ったファイルの名前を英字にさせる ②次回も必要なことを決まりのファイルに残させる。
貼った指示がどこまで残るかを実際に測ったため。指示はその会話の中だけ。決まりのファイルは会話をまたいで守られた(44回中44回)。そして日本語の名前を付けたファイルは、決まりのファイルから読み込めなかった(4モデル中0)。その日本語の名前を付けたのはAI自身だったので、先に決めておく必要がある
v1.11 2026-08-15
AIが私について覚えていることを、作業前に全部出させる項目を足しました。いつ書かれたものか、いまの話と食い違うものはないか、まで聞きます。
2日前にAIが自分で書いた「この人には噛み砕いた説明は不要」という記憶が残っていて、それがこの日の説明の失敗を作ったため。記憶は書いた時点では正しくても、あとで検証されない。そして「知らない」なら慎重になれるが、「知っている(つもり)」だと確かめない
v1.10 2026-08-15
態度の項目に一行足しました。画面に出ていないアドレスや命令を、組み立てさせない。
アドレスを推測で作って、1日に4回外していたため。存在しないページ、届かない問い合わせ先、条件を無視した検索結果が返ってきた。エラーではなく「それらしい結果」が返るので、外したことに気づきにくい
v1.9 2026-08-15
「モデル」に言い換えを1行足しました。(モデル=AIの種類のこと)
このプロンプトの中に「専門用語を使うときは、初めて出てくるところでかっこ書きの言い換えを付けてください」と書いておきながら、その10行あとで「モデル」を説明なしで使っていたため。サイト全文を機械で数えたら、説明なしの専門用語が並んでいた。なお、このとき使った数え方は後から間違いが見つかり、数字は当てにならない(同じ語を何度数えるかの扱いを誤っていた)。直した数え方での最新は、初出で言い換えの無いもの9件
v1.8 2026-08-15
日付の項目に一行足しました。会話が日をまたいだら、日付を取り直す。
会話の始めに渡された日付を持ったまま夜を越し、翌朝も前日の日付で話していたため。「明日やります」と言ったものが、実は当日の話になっていた
v1.7 2026-08-14
日付の扱いを足しました。日付はコンピュータから取らせる。会話の中で時刻や期間に触れるときも、どこから得た数字かを言わせます。
型⑭「AIは『いま』を知らない」から。夜10時に「今日はここまで」と言われて気づいた
v1.6 2026-08-14
説明のしかたについての指示を足しました。専門用語の言い換え、画面の場所の書き方、そして「私の沈黙を、伝わった証拠にしない」の3つです。
型⑬「言葉が通じないまま、進む」から。1ヶ月で30回、同じことを言っていた
v1.5 2026-08-14
見出しをすべて「AIへの指示」の形に揃えました。自分が書く欄は1か所だけにして、そこだけ明示しています。冒頭に、誰から誰への文章かを1行で書きました。
「あなた」と「私」が行ごとに入れ替わっていて、読むたびに主語を組み立て直すことになっていたため
v1.4 2026-08-14
使うモデル(AIの種類)の確認を、先頭から最後(作業を始める直前)に移しました。「今回やりたいこと」の見出しの補足も、誰が書く欄なのか分かる書き方に直しています。
何をするか言う前にモデルを薦めさせても答えようがないため。見出しの「(ここは私が書きます)」は、貼る文章の中の「私」なので、AIの発言か自分の発言か読み取れないため
v1.3 2026-08-14
「今回やりたいこと」を書く欄を先頭に足しました。あわせて「その後に変わっている可能性はありますか」を、「上に書いた件について、知識が古くなっていそうな部分はありますか」に直しています。
何を作りたいか一度も言わないまま「この話題は変わっていますか」と聞いていて、AIから見ると何の話か分からない状態だったため。空のまま貼っても動くようにしてある
v1.2 2026-08-14
「この作業に向いているモデルはどれか」を最初に聞く項目を足しました。いま動いているモデルと違っていたら、作業を始めさせません。
失敗からではなく、習慣から。実際に使っていて効いているため
v1.1 2026-08-14
「誰が使うか」「どこで動かすか」を、AIへの質問から「AIが私に質問すること」へ書き直しました。答えるまで作り始めないよう指示も足しています。
自分しか知らないことをAIに聞く形になっていて、貼ったときに違和感が出るため
v1.0 2026-08-13
11項目で公開しました。
11の型・53件の失敗から作成