AI係長AI係長yuuの引き継ぎ書AIでうまくいった話は、ここにはありません。

11

実務に入れて、初めて分かる

作った直後は「できた」。3回目くらいで、本当の問題が出る。

実際に起きたこと5件

  • 書類作成

    実務に入れたら、一部が反映されなかった

    自分でテストしていたときには、何の問題も出ていませんでした。実際の業務データで初めて使ったときの話です。

    ある項目だけが、うまく反映されません。動いてはいるので、エラーも出ません。

    きれいな例では出ない問題でした。

  • 会議録ツール

    録音が、2つのファイルに分かれた

    打ち合わせが長引いて、録音が途中で切れ、2つのファイルになりました。

    現場では普通に起こることです。ただ、作るときには思いつきませんでした。想定していない形の入力が来ると、処理は止まるか、静かに片方だけ処理します。

  • 会議録ツール

    AIが決めたルールが、現場に合わなかった

    資料とファイル名を見て、対応する会議に紐づけるルールをAIが作りました。

    実際の運用では、ファイル名がそこまで揃っていません。「そのルールはやめましょう」と、こちらから撤回しました。

  • 書類作成

    金額は同じで、文章だけ違う項目があった

    書類を突き合わせる処理での話です。金額は変わっていないのに、説明の文章だけ変わっている項目がありました。

    人間なら「これは実質同じ」と分かります。機械には区別がつきません。そして、この例外があること自体、指示する時点では思い出せませんでした。

  • 書類作成

    使い続ける費用が、後から問題になった

    動くかどうかだけを見ていました。実際に使い始めると、動かし続けるための費用が効いてきます。

    「使った分だけ課金されるものは避けたい」と、あとから条件を足しています。

見つけにくい理由

自分で試すときは、きれいな例を使うからです。現場のデータには、例外と、想定していない形と、面倒な事情が入っています。

そもそもの原因

何が例外なのかは、その業務を長くやっている人の頭の中にしかないからです。指示する時点では、本人も言語化できていません。

自分で再現してみる

読んで納得するより、1回自分で起こしてみるほうが早いです。これは、こちらが実際にやった手順です。

整った例データで処理を作らせたあと、空欄・全角数字・想定外の並び順を含む1件を渡す。「エラーになるかも」と予告しない。 止まるか、静かに飛ばすかを見る。

この型を防ぐには

やることは3つです。渡す相手が、それぞれ違います。

① 覚えておくこと

作ったら、一番めんどくさい実例で1回だけ試す。きれいな例では、問題は出ない。

② CLAUDE.md に書き足すこと

いつ貼るか

Claude Code の会話に貼る。ファイルは自分で開かなくて構いません

貼るとAIが CLAUDE.md を書き換えます。1回書けば、次の会話からも効きます。

そのまま貼れる文(AIが CLAUDE.md に書き足します)
次の決まりを、いま作業しているフォルダの CLAUDE.md に書き足してください。
ファイルが無ければ作ってください。

実際の業務データを流す前には、必ず次を確認させてください。

1. どういう形のデータが来ると、この処理は失敗しますか
2. 失敗したとき、途中まで進んだ状態になりますか。それとも何も起きませんか
3. 想定していない形のデータが来たら、止まりますか。それとも無視して進みますか

「無視して進む」箇所があれば、止まるように変えてください。静かに飛ばされるより、止まってくれたほうが助かります。

守ってほしいこと
・文はそのまま書いてください。言い換えないでください
・すでにある決まりは消さないでください
・似た決まりが既にあれば、書く前に教えてください
・書いたあと、CLAUDE.md 全体をそのまま表示してください

この貼り方が動くか、数えました

上の文をそのまま4種類のAIに3回ずつ渡して、 できあがったファイルを機械で読みました(2026-08-16)。

① 正しいファイルに書いた    12回中 12回

② 前からあった決まりが残った  12回中 12回

③ 文がそのまま入った      12回中 12回

④ 書いたあと、中身を見せた   12回中 11回

落ちた1回は、書けてはいました。「完了しました」とだけ返して、ファイルを見せませんでした(Haiku 4.5)。これがこのサイトの型⑦です。見せてこないときは、「CLAUDE.md を全部見せて」ともう一度言ってください。

Haiku 4.5・Sonnet 5・Opus 5・Fable 5/ 書き方は少し変わります(2文が1行にまとまる回がありました)。 文そのものは12回とも変わっていません。

どのフォルダで作業しても守ってほしいときは、貼る前に、1行目の「いま作業しているフォルダの」を ~/.claude/ に書き換えてください。その場合、作業フォルダの外に書くので、Claude Code が許可を聞いてきます(聞かれたら「はい」を選びます)。※ 書き換えたほうの形は、まだ数えていません。上の12回は、書き換えない状態のものです。

最後の2文が一番大事です。実務のデータは、たいてい想定外の形をしています。そこで静かに飛ばされると、この一覧の「型①静かに間違う」になります。

長くなってきたら

型は14個ありますが、まず入れるのは自分が実際に踏んだ型だけで足ります。それでも増えてきたら、.claude/rules/ に置いて「どのファイルを触ったときに読むか」を指定すると、ふだんの分量が減ります。

※ @ で別のファイルに分けても、読み込まれる量は減りません(公式の説明)。分けるのは、自分が直しやすくするためです。

→ 置き場所・ファイル名・分け方

③ 自分で確かめること — いま動いているものが、この型になっていないか

作ったツールを、手元で一番やっかいな1件に通してみてください。

一覧に戻る