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属人化の再生産
属人化を解こうとして、担当者が入れ替わっただけだった。
実際に起きたこと5件
- 社内ツール
誰も直せないツールが、社内にあった
ベテランがひとりで作った、便利なツールがありました。その人しか中身が分からず、誰も直せません。
属人化が課題だということは、全員が分かっていました。分かっていても解けないので、何年もそのままでした。
- 社内ツール
AIで作り直して、まったく同じものができた
属人化を解くつもりで、AIを使って作り直しました。動くものはできました。
できあがったツールは、私のパソコンの、私の設定の上で動いています。他の人の環境では動きません。止まったとき、直せるのは私だけ。
置き換えたはずのものと、構造がまったく同じでした。担当者が入れ替わっただけです。
- 社内ツール
仕様書もマニュアルも作らせた。それでも解けなかった
作るときに「仕様書と人間のためのマニュアルも作って、随時更新して」と指示しています。書類は揃いました。
それでも解けませんでした。書類の問題ではなかった、ということです。
- 比較サイト
パソコンを買い替えたら動かなくなる、と気づいた
動いている仕組みが、特定の1台に紐づいている状態です。
買い替えを考えたときに、初めてこれが怖くなりました。移す手順を書いていなかったので、何が必要かも分かりません。
- 集計ツール
自分のパソコンが寝ている間は、止まっていた
毎日決まった時刻に動く仕組みを作りました。ただしそれは、自分のパソコンが起きているときだけ動きます。
外出中もデータが更新されるのか、あとから不安になって確認しました。作るときには考えていませんでした。
見つけにくい理由
属人化を問題だと分かっている本人が作っているからです。「今度はちゃんとやる」と思って始めて、気づいたら同じものができています。
そもそもの原因
作ることと、引き継げる形にすることは、別の作業だからです。前者は数日でできます。後者は設計の問題なので、AIに詳しくなっても解けません。
この型を防ぐには
やることは3つです。渡す相手が、それぞれ違います。
① 覚えておくこと
属人化は、人を替えても解けない。設計を替えないと、担当者が変わるだけ。
② CLAUDE.md に書き足すこと
いつ貼るか
Claude Code の会話に貼る。ファイルは自分で開かなくて構いません
貼るとAIが CLAUDE.md を書き換えます。1回書けば、次の会話からも効きます。
次の決まりを、いま作業しているフォルダの CLAUDE.md に書き足してください。 ファイルが無ければ作ってください。 作ったものがひととおり動いたら、私以外の人が引き継げるかを、次の観点で点検してください。 1. 私のパソコンにしかない設定・ファイル・環境に依存している箇所 2. 私がいないと直せない箇所と、その理由 3. 止まったときに、他の人が「止まった」と気づける仕組みがあるか 4. 引き継ぐ人に最低限渡すべき文書は何か できていない点を隠さずに挙げてください。褒めなくていいです。 守ってほしいこと ・文はそのまま書いてください。言い換えないでください ・すでにある決まりは消さないでください ・似た決まりが既にあれば、書く前に教えてください ・書いたあと、CLAUDE.md 全体をそのまま表示してください
この貼り方が動くか、数えました
上の文をそのまま4種類のAIに3回ずつ渡して、 できあがったファイルを機械で読みました(2026-08-16)。
① 正しいファイルに書いた 12回中 12回
② 前からあった決まりが残った 12回中 12回
③ 文がそのまま入った 12回中 12回
④ 書いたあと、中身を見せた 12回中 11回
落ちた1回は、書けてはいました。「完了しました」とだけ返して、ファイルを見せませんでした(Haiku 4.5)。これがこのサイトの型⑦です。見せてこないときは、「CLAUDE.md を全部見せて」ともう一度言ってください。
Haiku 4.5・Sonnet 5・Opus 5・Fable 5/ 書き方は少し変わります(2文が1行にまとまる回がありました)。 文そのものは12回とも変わっていません。
どのフォルダで作業しても守ってほしいときは、貼る前に、1行目の「いま作業しているフォルダの」を ~/.claude/ に書き換えてください。その場合、作業フォルダの外に書くので、Claude Code が許可を聞いてきます(聞かれたら「はい」を選びます)。※ 書き換えたほうの形は、まだ数えていません。上の12回は、書き換えない状態のものです。
最後の1文がないと、たいてい「よくできています」から始まります。
長くなってきたら
型は14個ありますが、まず入れるのは自分が実際に踏んだ型だけで足ります。それでも増えてきたら、.claude/rules/ に置いて「どのファイルを触ったときに読むか」を指定すると、ふだんの分量が減ります。
※ @ で別のファイルに分けても、読み込まれる量は減りません(公式の説明)。分けるのは、自分が直しやすくするためです。
③ 自分で確かめること — いま動いているものが、この型になっていないか
社内の便利な仕組みを1つ思い浮かべて、「その人が来週いなくなっても動くか」を考えてみてください。
この型は、上のプロンプトでも解けきりませんでした。どこまで解けて、どこから先が解けないかはこちらにまとめています。