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マニュアルと実物がズレる
説明書も中身も、どちらもAIが書いている。両方それらしい。
実際に起きたこと7件
- 自動化
「できない」と自分で書いた記録を、1ヶ月そのまま信じていた
以前に作った仕組みの手順書に、「この数字は画面でしか見られない。プログラムからは取れない」と書いていました。だから毎回、手で書き写していました。
別のものを作っているときに、たまたま同じ機能をプログラムから叩いてみたら、あっさり取れました。 命令1行です。
書いた時点では合っていたのかもしれません。 ただ、その後に何度も同じ場所を触っているのに、一度も確かめ直していませんでした。
「できる」と書いたことは、使うたびに検証されます。 動かなければすぐ分かるからです。「できない」と書いたことは、誰も試さないので、間違っていても永遠に残ります。
- 自動化
「前と同じやり方で」と決めて、比べなかった
似た仕組みを2つ目に作るとき、「1つ目と同じやり方を移植する」と決めました。予定表にも「別の方法は不要」と書いています。
ところが1つ目の手順書には、別のやり方も使えると自分で書いてありました。 読んでいたのに、選択肢として見ていませんでした。
結局そのあと、1つ目のやり方では物理的に無理だと分かって、別のやり方に切り替えました。判断して変えたのではなく、行き止まりに当たって変えただけです。
移植は楽なので、比べる手間を飛ばす動機が働きます。 「前と同じで」は結論に見えますが、たいてい過去の判断をそのまま置いただけです。
- 書類作成
説明書に書いてある処理が、実際には動いていなかった
ツールと一緒に、マニュアルもAIに書いてもらっていました。あとから読み返して気づきました。
マニュアルには「この情報を使って計算します」と書いてあるのに、実際の処理では使われていませんでした。
説明書もAIが書き、中身もAIが書いています。両方それらしいので、突き合わせない限り分かりません。
- 会議録ツール
毎回言わないと、説明書は更新されない
中身を直すたびに「仕様書やマニュアルにも反映してね」と指示しないと、説明書は前のままです。
中身を直したことは覚えていても、説明書を直し忘れたことは覚えていません。
- 書類作成
ファイルを開いたままで、更新が入っていなかった
マニュアルを開いたまま作業していたので、更新が反映されていませんでした。
手元の画面には古い内容が出たままです。直したつもりでいました。
- 会議録ツール
自分で作らせたのに、何で動いているか分からなくなった
「このツールはAIを使っていますか」と、自分でAIに聞き返しています。
指示したのは自分です。それでも、しばらく経つと何がどう動いているのか分からなくなりました。
- 会議録ツール
自分では確かめられないと気づいた
「バグがないか、客観的な目線でチェックしてください」とAIに頼んでいます。
作ったのもAI、点検するのもAIです。この構造に気づいたときは、少し怖くなりました。
見つけにくい理由
説明書だけを読むと、完全に筋が通っているからです。実物と突き合わせない限り、ズレていることは分かりません。
そもそもの原因
説明書と中身が、別々のタイミングで書かれるからです。中身を直したときに説明書を直し忘れる。しかも説明書のほうが、それらしく書けてしまいます。
この型を防ぐには
やることは3つです。渡す相手が、それぞれ違います。
① 覚えておくこと
AIに書かせた説明書は、AIに書かせた中身と突き合わせないと合わない。説明書だけ読んで信じない。
② CLAUDE.md に書き足すこと
いつ貼るか
Claude Code の会話に貼る。ファイルは自分で開かなくて構いません
貼るとAIが CLAUDE.md を書き換えます。1回書けば、次の会話からも効きます。
次の決まりを、いま作業しているフォルダの CLAUDE.md に書き足してください。 ファイルが無ければ作ってください。 処理を直したら、同じ作業の中でマニュアルと突き合わせてください。 1. マニュアルに書いてあるが、実際には行われていない処理 2. 実際には行われているが、マニュアルに書かれていない処理 3. 書かれている手順と、実際の順番が違う箇所 そのうえで、マニュアル側を実物に合わせて直してください。直した箇所は、何をどう変えたか一覧にしてください。 守ってほしいこと ・文はそのまま書いてください。言い換えないでください ・すでにある決まりは消さないでください ・似た決まりが既にあれば、書く前に教えてください ・書いたあと、CLAUDE.md 全体をそのまま表示してください
この貼り方が動くか、数えました
上の文をそのまま4種類のAIに3回ずつ渡して、 できあがったファイルを機械で読みました(2026-08-16)。
① 正しいファイルに書いた 12回中 12回
② 前からあった決まりが残った 12回中 12回
③ 文がそのまま入った 12回中 12回
④ 書いたあと、中身を見せた 12回中 11回
落ちた1回は、書けてはいました。「完了しました」とだけ返して、ファイルを見せませんでした(Haiku 4.5)。これがこのサイトの型⑦です。見せてこないときは、「CLAUDE.md を全部見せて」ともう一度言ってください。
Haiku 4.5・Sonnet 5・Opus 5・Fable 5/ 書き方は少し変わります(2文が1行にまとまる回がありました)。 文そのものは12回とも変わっていません。
どのフォルダで作業しても守ってほしいときは、貼る前に、1行目の「いま作業しているフォルダの」を ~/.claude/ に書き換えてください。その場合、作業フォルダの外に書くので、Claude Code が許可を聞いてきます(聞かれたら「はい」を選びます)。※ 書き換えたほうの形は、まだ数えていません。上の12回は、書き換えない状態のものです。
「2」が見落とされがちです。書いていない処理があると、引き継いだ人が一番困ります。
長くなってきたら
型は14個ありますが、まず入れるのは自分が実際に踏んだ型だけで足ります。それでも増えてきたら、.claude/rules/ に置いて「どのファイルを触ったときに読むか」を指定すると、ふだんの分量が減ります。
※ @ で別のファイルに分けても、読み込まれる量は減りません(公式の説明)。分けるのは、自分が直しやすくするためです。
③ 自分で確かめること — いま動いているものが、この型になっていないか
手元のマニュアルを1つ開いて、書いてある機能を1つ、実際に動かしてみてください。
この型は、上のプロンプトでも解けきりませんでした。どこまで解けて、どこから先が解けないかはこちらにまとめています。